旅人の旅日記

バイク・青春18きっぷの旅諸々の旅の記録

小布施で北斎に会い、スキー場で蕨採り 長野旅2日目

6月4日(日)朝4時に目が覚めた。未だ暗い。横を見るとSちゃんも目を覚ましている。宿の向かいにあるスキー場のシュナイダー碑まで2人で行く事にした。少々肌寒いので持参してきたノースフェイスのマウンテンパーカーを羽織って出発。宿の階段を降りる時、宿でバイトをしている異国の女性2人に遭遇した、お互いにおはよう御座いますと挨拶を交わした。シュナイダー碑までは宿から歩いて10分程、しかしながら、運動不足の私達は時々立ち止まって息を整えなければならなかった。スキー場から見える視界の7割はレタス畑で、白いビニールで覆われていた。白いビニールが昇り始めた陽の光で輝いて見えた。シュナイダー碑に到着、折角なのでSちゃんに写真を撮ってもらった、お腹が出ている。北の方に目をやると未だ沢山の雪に覆われた北アルプスの山並みが見えた。南側を見ると、浅間山がうっすらと噴煙を上げていた。そうこうしているうちに太陽の周りの輝きが山の頂きから漏れ見えてきた。瞬く間に太陽は山の頂き高く登ってしまった。雉の鳴き声と羽音がしたので音のする方を見てみると、雄の雉が1羽こちらを一瞥してすぐに草原の向こうに消えてしまった。宿に戻り朝風呂に入った、気持ち良くお腹も空いてきた。朝ご飯は8時から未だ時間がある。腹が減った。朝ご飯のメニューは、採れたてのレタスのサラダ、ご飯、塩鮭、納豆、味噌汁、宿で漬けた大根の漬物。朝ご飯からビールを勧められた、当然勧められるままにビールを飲み干す、美味い。Sちゃんすまん!運転は任せた。9時に宿を出発し、須坂・山田温泉を経由して名勝「雷滝」を目指した。山田温泉の藤井荘の前を通ったが、藤井荘は藤井聡太氏が七冠を獲った高級旅館。雷滝には初めて来た。季節外れの台風で水量の増えた雷滝は迫力満点だった。雷滝は滝の裏側からも滝を見ることのできる裏見の滝だった、裏見の滝も初めて。写真を撮っている人が多い、水量が多過ぎで、いつもくらいの水量が良いと言っている人も居たが、水量の多い迫力満点の滝を見ることもそうそう無いので、私としては得した気分。雷滝を後に、七味温泉の日帰り温泉を楽しむ事にした。前回七味温泉に来た時は「渓山亭」に泊まって、露天風呂でモフモフのタヌキを見ながら温泉に浸かったが、今回は「紅葉館」の日帰り温泉に入ることにした。紅葉館には、かなり熱い内風呂と露天風呂が有った。露天風呂には入って、体が湯船の横や底に触れると身体が真っ黒になる温泉もあった。温泉の硫黄成分と鉄イオンが反応して黒くなるらしい。露天風呂の湯温は少しぬるめでとてもリラックス出来た。温泉はかなり硫黄臭が強かった、この日1日皆んな身体から硫黄臭を振りまいていた。温泉の先客は根曲竹を取りに来ていた人達だった。聞いてみると、かなりの量の根曲竹を獲ったという事だった。彼らには、私達も根曲竹を取りに来た人に見えたらしい。根曲竹の美味しい食べ方を聞くと、根曲竹に缶詰の鯖の水煮を加え、味噌で味を整え、仕上げに卵を入れて竹の子汁にするのが一番美味いとの事、道の駅で根曲竹を見つけたら買おうと心に決めた、しかし見つけた根曲竹は高かったので買わなかった、その後根曲竹は売って無かった、残念。この根曲竹のレシピは山形県のひっぱりうどんと殆ど同じ、ひっぱりうどんには納豆が入る、その違いだけ。温泉の締めに熱い内風呂に10分程浸かった。1人旅ならもっと入っていたかったけど、今回は団体様、ワガママは言えない。紅葉館を後にして志賀高原に行こうと思っていたが、ガソリンが心もとない。小布施の町に戻ることにした。小布施でガソリンを補給して「北斎館」に行く事にした。北斎館の存在はかなり前から知っていて、立ち寄りたいなぁ、と思ってはいたが、今回初めて北斎館に入館する運びとなった。北斎館は本や雑誌で見た事ある北斎の作品がいくつも展示されていて、フラッシュを焚かなければ撮影しても良いという、太っ腹な美術館だった。昼ご飯も小布施で食べる事になり、今日も蕎麦を食べる事になった。「富蔵屋」という田舎蕎麦屋で地酒と田舎蕎麦の盛りをいただいた。信州蕎麦のつけ汁は一口目はかなり甘い、食べているうちにだんだん慣れてくる。私の好みとしては、昨日馬籠宿で食べた「三花月庵」の蕎麦の方が好みではあるが、郷に入れば郷に従え、という事で甘めのつけ汁も太麺の田舎蕎麦には良く合うし、蕎麦の合間の日本酒も美味い。今日も昼間っから幸せである。小布施では、留守番の嫁に土産のワイン、長野県産で、結構高いワインを小さなワイン屋さんで買ったが、外人が店に入って来たらワイン屋さんのおばちゃんがペラペラと英語で対応し始めた、失礼な話だが、目が点になった。宿に戻る、この後は宿の近くのスキー場で蕨採り。宿のご主人のかなり古いランクルでスキー場の中ほどまで行く予定だったが、途中でエンスト、オマケにオープンのランクルなので、破れたシートには先日降った雨が大量にしみこんでいた。なんとか踏ん張ってお尻がシートに乗らないよう頑張ったが、かなりお尻は濡れた。ランクルの替わりに何処からかパジェロを持って来てスキー場の中腹に向かった。パジェロから降りた場所から少しスキー場を進むと、斜面一面、蕨だらけ、採り放題だ。生前私の父は蕨採りが大好きで、父がこの蕨を見たら天にも昇る気持ちになったんだろうなぁなどと考えていた。しかし私はビニール袋一杯になる前に飽きてしまった。後日蕨は灰汁を抜き、醤油と鰹節をかけたり、蕨を麺つゆで炊いて卵でとじたりして美味しくいただいた。あく抜きした蕨を実家の母にもお裾分け、厚揚げと炊いて食べたという話しだった。

 

蕎麦屋 小布施 富蔵家 田舎蕎麦 営業中

美術館 小布施 北斎館  営業中