旅人の旅日記

バイク・青春18きっぷの旅諸々の旅の記録

9月28日続き 女川町追分温泉に迷う

白河の関というのでたいそう立派な施設でも有るのかと想像していたら、ただ、白河の関跡という石碑があるだけだった。芭蕉白河の関で「風流の初めや奥の田植え歌」という句を詠んでいる。この時すでに15時を過ぎていた。本来ならこの後、芭蕉の足跡を辿るなら「須賀川」「浅香山・信夫の里」「飯塚の里」「笠島」「武隈の松」「宮城野」「壺の碑 多賀城」「末の松山」「松島」「瑞巌寺」を訪ねなければならないが、時間の関係で全てすっ飛ばして白河から東北自動車道三陸自動車道を使って本日の宿、石巻市女川町の「追分温泉」を目指した。浅香山・信夫の里近くに有る安達ヶ原の黒塚の跡には行って見たかった。宿からは出来れば17時には宿に入って欲しいということだったけど全然間に合わない。白河から東北自動車道三陸自動車道を通って河北インターで高速道路を降りたまでは良かった、しかし日はとっぷりと暮れていた。宿までの道を尋ねる為にガソリンスタンドで給油して、宿までの道をスタンドの方に聞いたけどマスクをしているのと方言の為今ひとつ分からなかった。何とかなるやろとガソリンスタンドを出発、しかし何ともならなかった。ガソリンスタンドを出て30分程うろうろ、柳津大橋のたもとから宿に電話、国道45号を直進してモクモクランドを目印に横山という信号で県道64号に入れとの指示、途中狭いワインディングロードがあるとも。目印を見逃さないようにスロー走行する。何とか追分温泉と控えめに書いてある看板も見つける事が出来、県道64号に入ることが出来た。言われた通り狭い曲がりくねった道が現れた、幾つかのカーブを曲がると、ヘッドライトの灯りの中にカモシカ1頭と狸1匹が浮かび上がった。カモシカは此方を暫く見つめた後ガードレールの下を潜って何処かに行ってしまった。狸は此方には目もくれず真っ直ぐに逃げて行った。カモシカ達と分かれて暫く走ると右手に小学校のような木造のような建物が現れた。まさかこれじゃないやろと思ったが、豈図らんやそこが追分温泉だった。チェックインを直ちに済ませて晩御飯に、係の人達が遅く到着した私達を待っていてくれた。感謝!とりあえず生ビールは無いという事なので瓶ビールで乾杯。この日の刺身は鯨・ホヤ・ホタテ・マグロと石巻女川の海の幸が美味い。特に久しぶりに食べる新鮮なホヤが美味かった。地元でもごく稀にビニール袋に入った濁った海水に浸かったホヤを見ることがあるけど、買う勇気がで出ない。鯨は刺身の他にも竜田揚げもあった、これも美味い、小学校の給食で食べた竜田揚げよりも柔らかくて美味い、小学校の給食で食べた硬い黒っぽい竜田揚げも懐かしいが。蒸しホヤなる物も出て来た、初めて食べたけどこれも美味かった。ここで地酒の「日高見」4合瓶をいただく、日高見を呑むのも久しぶり。少し残った日高見は持って帰った。口に合わない物は何1つ無い晩飯だった。晩御飯を食べ終え、直ちに温泉に入る、熱めの湯とぬるめの湯があった。結構大きな浴槽が2つ。浴室の案内書きには、この風呂のお湯は温泉ではないと書かれていたが立派な鉱泉だった。あったまるし汗も良く出た。この晩は風呂から上がりさっさと眠ってしまった。本日の走行距離442キロ。翌朝、本当なら6時から朝風呂に入れるのだが、フライングして5時40分から朝風呂に入った。6時頃泊り客の方が入って来られたので少し話をした。仙台からご夫婦で来られているという事だった。年に1回秋の彼岸の時に南三陸町の墓参りの時にこの追分温泉に泊まるという事だった。南三陸町と聞いて津波が関係してるのかとも思ったけど、そこには触れなかった。この方によると追分温泉は料理が美味しいので有名らしく、特に魚が旨いという事だった。実際、昨夜の晩御飯の刺身など文句の付け所が無かった。本来なら朝御飯の時、秋刀魚の塩焼きが付くらしいのだが、昨今の秋刀魚の不漁で秋刀魚の塩焼きは出てこなくなったようだ。本当に美味い秋刀魚でこれも楽しみだったんだけどと残念がっておられた。この日の朝御飯の焼き魚は鱒のハラスの塩焼きだった、これはこれで美味かった。この旅に来る前、自宅で走りの秋刀魚を七輪で焼いたけど脂っ気が無く炭火の炎が秋刀魚の脂で大きくなる事もないパサパサの秋刀魚だったなぁと思い出した。七輪でぼうぼう燃える秋刀魚を食べたいものだ。この旅から戻って仙台の友人に追分温泉に泊まったと報告したら、よく追分温泉なんか見つけたなぁとの反応。彼も仕事の時に何回か泊まった事があるらしく、安くて美味しい晩御飯・朝御飯だったと言っていた。ご主人の趣味か?旧車やギター等私の趣味にぴったりの宿だった。

 

宿 石巻市女川町 追分温泉 営業中

日本酒 日高見